私は看護学校を卒業後、5年間一般病院で働いた後、ワーキングホリデープログラムを利用してニュージーランドに行きました。ニュージーランドは社会保障が確立された国のひとつとして有名でしたが、私が感じるにあまりそうではないような気がしました。
ニュージーランドでは公立病院は一般的に医療費は無料で診察が受けられます。ですから患者は医療費が無料の公立病院に殺到するのです。例えば、日本では手術が必要となればすぐに入院予約をとり手術を受けることができます。しかし、個人で保険に加入している人は別として公立病院では手術を受けるにしてもウェイティングリストに載ることになり、その間に亡くなってしまうケースも少なくないということでした。
そこで病院側はできるだけ患者を早期に退院させるようにし、その後のケアは民間のケア専門会社が術後の世話をするわけです。
私はその民間の会社に登録し腰椎の手術後の方を訪問させていただきました。
驚いたことに彼女は退院時に良肢位の指導などまったく説明されておらず、日常生活動作は腰を保護するどころか、悪化させるような肢位をとっていたのです。
今回、ニュージーランドの医療の実態を垣間見て、日本の看護の質の良さを実感しました。病院の中で治療をしながら、退院後の生活の場を想定した指導を行うという点では、他国に自慢できるレベルだと感じました。また同時に、看護師の仕事は病院の中だけでなく家庭の中でも必要とされていることや、それを可能とするために日本でも派遣看護師の定着が望まれると感じました。そうすれば病人だけでなく老人の介護、障害者の日常生活の援助などがもっと確立されていくのではないでしょうか。
株式会社アルティーユスタッフ
有料職業紹介事業
厚生労働大臣許可 13-ユ-050127
一般労働者派遣事業 般13-050103